第71回全国学校歯科医協議会

令和3年10月28日、第71回全国学校歯科医協議会がWEB開催されました。

講演Ⅰ

国立モンゴル医学・科学大学歯学部客員教授 岡崎 好秀 先生が「子どもの口はふしぎがいっぱい」と題し講演されました。冒頭、いつもの定番泣いた顔と笑った顔の子どものスライドを出し、「子どもたちのこころに借金をして帰す」「子どもたちのこころに貯金して帰す」と表現して、借金した子どもたちは歯科診療を中断しがちになるが、貯金した子どもたちは通い続けてくれると述べ、岡崎先生は貯金を目指して診療しているとの事です。

口腔崩壊状態のスライドを提示し、8020の口をイメージして治療をすること、つまり場当たり的な治療でなく、健全な口腔の保持を考えて治療する事が重要であると述べられました。

医者が病気のことを聞かれたら恥である。どうしてかと問題提起され、これもお決まりのフレーズ「さあ皆さん考えてみてください」と聴講者に問いかけるスタイルはWEBでも健在でした。いわゆるアクティブラーニングですね。ただ聞かせるだけでなく考えさせることが重要なのです。学校歯科保健を推し進めていく上での重要なポイントです。そんな楽しい岡崎先生の資料が札幌歯科医師会にたくさんありますので、皆さん是非活用してみてください。そして学校へ足を運んでください。検診だけなんてもったいないですよ。

先ほどの答えは「医者には病気のことしかわからないと思われることが恥である」でした。

(平山 泰志 記)

講演Ⅱ

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 予防歯科学分野教授 森田 学 先生より「大学生の歯・口の健康に関わる要因」と題して講演が行われました。

 現在の学校保健安全法には「大学以外の学校には、学校歯科医及び学校薬剤師を置くものとする」とあります。実際、大学には学校歯科医がいないことにより大学での歯科保健は未開拓分野となっています。高等学校卒業以降は、自己責任において自分の口腔管理を行わなければならないのが現状です。

講師は、これまでの大学での歯科検診を通じていくつかの疑問(仮説)について調査をし、結果を発表されました。今後は大学生の口腔保健の基礎データを少しでも増やし、大学生の口腔保健に専門職からの働きかけをする機会が必要であるという内容の結論にて講演が終了しました。

(山口 勝 記)