第10期「歯・口の健康づくり推進指定校研究発表会」

   3月17日(木)19時から札歯会館大講堂にてWeb併用で開催されました。Webからは学校関係者7名、札歯会員16名、また会場からは19名の参加がございました。この発表会では、学校歯科保健推進事業として札幌歯科医師会が指定する学校より1期3年(今期はコロナ渦のため4年に延長)の最終年度に、学校関係者や会員に向けた研究成果報告をしていただいております。今回も第10期指定校1園2校の発表が行なわれました。

 麻生明星幼稚園 園長 上森 俊明 先生より「保護者と協力して子どもの歯を守る」を目標に保護者向けの講演会や歯の新聞、歯科健診(年2回)、歯みがき指導、食育などの実践活動報告がありました。また、2012年から年長児、2017年からは年中児の週1回のフッ化物洗口も行われております。課題としは、フッ化物洗口液が試薬から少し味がする製剤に変更になり、この味が嫌な園児がエアーうがい(やっているふり)していたケースがありました。洗口液の味は子どもにとって重要であるとの報告がありました。

 札幌市立定山渓小学校 養護教諭 薬師 愛里 先生より健康づくり活動の実践について発表がありました。新たに5・6年生の総合的な学習の時間で「Kid’s歯ッカソン」というプログラムの導入した学習報告がありました。これは、(株)ライオンが啓発活動の一環として推奨しているものの一つです。まず、歯と口に関する困りごとを考える「課題を発見する」そして、困りごとを解決する新商品を考える「アイデアを考える」その後、その新商品のCMをみんなで考える「協力してまとめる」最後に、みんなの前でCMを発表する「上手に伝える」という流れで行われます。これは、新学習指導要綱で重視されているアクティブラーニング型授業で、この形式は学校保健で多く用いられております。

 札幌市立定山渓中学校 養護教諭 林 麻子 先生より「歯と口から広がる健康づくり」のテーマのもとこれまでの取り組みについて発言いただきました。ほとんどの生徒が定山渓小学校からの持ち上がりで、義務教育9年間にわたる小中交流学習会の「和・歯・8020ワールド」は全国的にも誇れるものです。また、地域の「いきいき健康フェア」と同時開催することで、家庭や地域との連携が広がり、健康な社会・まちづくりに貢献できています。コロナ渦になってからは中止などあったものの、内容変更など感染予防に即した工夫をこらして実践されていました。

 講評を学校歯科委員会 委員長 大川 晋一 先生と札幌市教委保健指導担当 係長 半澤 郁子 先生からいただきました。学校保健活動は継続性が重要ですが、今後は他の学校にも広めていかないといけないし、続く学校が出てくるようになるとよい。麻生明星幼稚園は0歳児からの受け入れを行って認定こども園となるので、歯がない時期からの長いスパンでの研究実践となるのでまた楽しみなど、次期への期待などの発言がありました。

(辻村 祐一 記)