第69回北海道学校保健・安全研究大会根室大会(Web)

〔基調講演〕

 令和4年11月20日(日)、道立北方四島交流センターにて表記大会がオンライン併用により開催されました。今回の大会主題は「生涯を通じて、心豊かにたくましく 北の大地を生きる子どもの育成を目指して」でした。

 開会式ならびに学校保健功労者表彰が行われ、今年度は学校医50名、学校歯科医33名、学校薬剤師10名が表彰されました。

基調講演は日本体育大学体育学部教授の野井真吾先生を講師に「コロナ禍における子どもの育ちと学びを考える」と題して行なわれました。

新型コロナウイルス感染症により令和2年3月から5月末まで学校は一斉休校となったため、コロナ休校が子どものからだと心に及ぼす影響について全国31の学校で調査した報告がありました。

 

・コロナ休校中の困りごととして、1)思うように外に出られない、2)友達に会えない、3)運動不足になってしまう、4)勉強を教えてもらえない、などがあったが休校明けでは学校再開により困りごとは減少した。

 

・休校中の子どもたちは起床時刻・就寝時刻が遅くなり、身体活動日数が少なく、スクリーンタイムが長く、ストレスなどの精神症状の訴えが増す様子が示されたが、休校明けでは朝起きられない、寝つきが悪い、などの身体症状の訴えが増す様子が示された。

 

・提案として、生活リズムを整えるため「早寝・早起き・朝ごはん」が推奨されているが実践は難しい。それより昼は外に出て日の光を浴び、夜は部屋の照明を落とし少し暗い所で過ごす「光・暗闇・外遊び」は楽に始められるのではないか。

コロナ禍の生活は子どもにとって想像できないほどの試練であり、「動くこと」、「群れること」が制限されており、子ども同士の遊び、人と人とのふれあいや交流を考える際、学校の存在意義は大変重要であると結ばれました。

(塚本晃也 記)

 

〔部会別研究協議〕

 午後1:30より3部会に分かれて研究協議が行われ、第2部会「保健管理・保健教育、安全管理・安全教育」を視聴しました。

(発表1)教職員、地域と連携して進める保健管理~食物アレルギーの緊急時の取組から~

                羅臼町立羅臼小学校 養護教諭 赤坂 優佳

(発表2)自分の命を守るためにできることを考えた、防災教育の取組

                標津町立標津小学校 教諭 照井 由加

 いずれの発表でも、教職員間、保護者、地域の関係機関の共通理解と連携の重要性を述べていました。また、緊急時を想定した訓練は大切であるが、それだけでは不十分で、児童・生徒が自分の健康、命を守るために自ら考え判断し、対応できる力を育てる教育を進めていきたいとまとめられていました。

(大川晋一 記)