令和5年度 第74回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会

 令和5年6月10日(土)ホテルオークラ福岡にて、福岡市学校歯科医会の主催で第74回指定都市学校保健協議会前日歯科保健協議会が4年ぶりで実開催されました。この協議会は、政令指定都市の歯科医師会または学校歯科医会の学校歯科保健担当者が一同に会し、各団体からの事業報告・個別質問への回答・協議事項への意見交換を行う会で、9都市より49名が参加しました。次回は札幌市の開催となるため、学校歯科委員会より山田会長、高橋副会長、大川委員長、塚本副委員長と事務局より2名が出向いたしました。

 

【各都市事業報告】

令和4年度に実施された特筆すべき事業について各都市より報告があった。(横浜市、名古屋市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、北九州市、福岡市、札幌市の9都市)

 

【日学歯会長講演】

「会長任期中の回想と日学歯の今後の展望」

日本学校歯科医会 川本 強 会長 

任期6年間に取り組んだ組織改革ほかの内容と、健康診断時の「歯列・咬合・顎関節」の判定と事後措置についての資料作りを進めているとのこと。

 

【日本学校歯科医会への要望・質問】

 日学歯主催の「基礎研修会」および「更新研修」について、開催回数を増やしてほしい、日程を早めに連絡していただきたいとの要望があり、令和5年度は基礎研修の回数を2回に増やし、開催予定を日学歯ホームページになるべく早く掲載するとの回答があった。

 

【各都市からの協議題・回答に関する協議】

各都市から出された多数の協議題については事前に各都市より回答、意見が寄せられていたが、それらについて活発な協議が行われた。

◎フッ化物洗口事業の推進について

 フッ化物洗口に関しては、実施していないか、実施の予定はないという都市が多い。反対運動や学校現場での多忙化もあり、なかなか進んでいないのが現状である。

北九州市では教育委員会主導で進められ、令和5年度末までには全小学校の全学年でフッ化物洗口が開始予定との報告があった。安全性に関しては歯科医師会が説明会等を担当し、学校現場での洗口の準備等は保護者などのボランティアが行う体制となっている。

大阪市では小4を対象にトレー法によるフッ化物塗布事業を長年続けてきたが、令和2年度よりフッ化物洗口に変更した。

 

◎学校歯科健康診断における歯列・咬合の事後措置について

岡山市歯科医師会より、歯列・咬合が[2]と判定された場合の「歯・口腔の健康診断のお知らせ」の内容について、児童生徒・保護者への情報提供の進め方を各都市がどのように対応しているかについて質問があり、それについて協議を行った。

令和4年に文科省から発出された「学校歯科健康診断における歯列・咬合の検査について」の事務連絡を受け、日学歯より「学校歯科健康診断における歯列・咬合の事後措置についてのお願い」が発出され、各市教委は対応を迫られている。

横浜市では保護者向けの歯列・咬合に関する詳しい解説資料を作成し、該当する児童生徒に渡すとともに、「かかりつけ歯科医」への相談を勧めている。

神戸市でも詳しい解説資料を作成し、受診前に歯科医院に相談することを勧めている。

岡山市歯科医師会ではこの協議を参考に、歯列・咬合不正の状況に合わせた詳細な通知を行う予定との報告があった。

(塚本 晃也 記)